新しい旅館創造にむけて・・・

心と技術を受け継ぎながら旅館を新しい時代へと推し進めること
専務取締役 佐藤鉄平

たちばなやのもっとも古い記録は江戸時代(1650年)のもので、その当時は「湯宿 佐次右衛門」として営業をしていたようです。「佐次右衛門」という名前は当館の社長が代々襲名してきた名前で、現在の社長も佐次右衛門を名乗っています。開湯1200年と言われるあつみ温泉で古くから宿を営む中で、昭和36年の昭和天皇・皇后両陛下のご宿泊をはじめとした皇室の方々の3代に亘るご宿泊の栄誉も賜り、数多くのお客様をお迎えしてまいりました。

一方で、昭和26年のあつみ温泉を焼き尽くした大火、近年の地震などの災害も経験し乗り超えるなど370年の長い歴史の中で様々なできごとを経て現在に至っています。時代は変わってもお客様を温かくお迎えする気持ちは変わらず、現在働く我々に受け継がれてきていると思っていますし、さらに未来へと引き継いでいきたいと思っています。

これからのたちばなやについて

永く営業をする中で培われてきたおもてなしの心と技術を受け継ぎながら、新しい時代へと推し進めることが、これからのたちばなやの使命と考えています。昔は団体型の旅行が主流であった時代もありましたが、現代はご夫婦、ご家族など個人型の旅行が多く、お客様の好みが多様化し、旅館ごとの個性がとても大切な時代となりました。

そのような時代環境の中で、お客様がまた帰って来たくなるような、そして節目節目ごとに何度も訪れたくなるような、そんな温かい旅館を作り上げようとしております。また、旅館だけを目的として完結する旅行ではなく、旅先の地域全体を楽しまれるお客様が多くなっていることも近年の流れです。それらのことを踏まえて、一旅館としてのあるべき姿、そして、この地域に根差した旅館としてのあるべき姿を、たちばなやで働く人達と一緒に追求していきたいと考えております。

たちばなやのおもてなし

たちばなやで働く人たちの特徴は、「優しく温かい人達が多いこと」であると私は思っています。そのような、「働く人達が自然に持っている温かい気持ち」をベースにした、心からのおもてなしを大切にしていきたいと考えています。たちばなやには、橘の花の5つの花びらになぞらえた「おもてなしの5弁」というスタンダードがあります。このスタンダードを深めていくことで、心の中に皆が持っている温かなおもてなしの気持ちを、お客様にきちんと伝わる形で表現できるように日々訓練し、実践しています。

「おもてなしの5弁」は細かいことまでを1つ1つ指示するようなマニュアルではありません。たちばなやのおもてなしのスタンダ—ドとして共有している指針なので、このスタンダードをベースとして持ちながら、働く人達が自分自身の個性や感性を存分に発揮して仕事をしてほしいと考えております。

たちばなやおもてなしの5弁 

~節目節目に何度もご利用いただける旅館になるために~

1.いつも「笑顔」でお客様応対をします
2.清潔感のある「身だしなみ」でお客様応対をします
3.きちんとした「立ち居振る舞い」でお客様応対をします
4.温かみを感じる「話し方」でお客様応対をします
5.お客様には一言そえた「挨拶」をします

たちばなやの仕事

旅館の仕事には、着物姿の客室係、フロント、調理、予約、布団敷きや大浴場の清掃をする業務係、など様々な業種が存在します。そのようないろいろな仕事をする人達が、1つのチームとして協力してお客様をお迎えしているので、チームプレイとしての面白さも旅館での仕事の特徴と言えると思います。そんな中で、客室係やフロントなどお客様に直接接する仕事の醍醐味は、何といってもお客様とのやりとりにあると思います。

お客様をおもてなしするということは「こんな時はこのように対応すればいい」とあらかじめ完全に決めておけるようなものではないと思いますので、お客様のご様子に気がついたり、お話をさせていただく中で、時にはその場で自分自身が判断をして対応をしていく必要があります。一つ一つの細かいことを上司に相談して指示を受けるのではなく、働く人達が自分自身の感性でお客様に対応をしていけることを目指しています。難しさと同時に面白さもある、やりがいのある仕事だと思います。もちろん難しい状況への対応は一人だけでする必要はなく、皆でフォローをしながら、チームで対応をしていけるような体制も同時に用意しています。

たちばなやで働く人の感性

たちばなやは大きな日本庭園を中心に、季節感をたっぷり感じ、また浸ることができる旅館です。私は働く人達にも、このことを大いに意識をしていただきたいと考えています。春から夏にかけては美しい花々や新緑、秋には紅葉、冬の雪景色と、温海の自然環境とともに季節ごとに美しく変化していきます。また、あつみ温泉のある山形県庄内地方は、「食の都」と言われるほど食材が豊富で、季節ごとの海の幸、山の幸に恵まれております。料理人にとっても、料理を提供するスタッフにとっても、いかにお客様に当地の食を楽しんでいただけるか、ということを追求していける恵まれた環境にあると思います。

そのような美しい季節の移り替わりや、季節ごとのお料理などをお客様に提供して楽しんでいただくためには、たちばなやで働く我々自身も、美しさや楽しさなどを感じる感性を持っていることがとても大切だと考えています。たちばなやで働くようになって、「花の名前を覚えたり季節の美しい景色を楽しむようになった」「料理の盛り付けに興味を持ったり食材に詳しくなった」など、自分自身の変化を実感しているスタッフがたくさんいます。たちばなやで働く人達には、美しいものを美しいと感じる感性を大切にしてもらいたいと思っています。

私は、働く人が仕事をする上で得ることができるものは、賃金は別とすると、「自分自身がより良く成長していくこと」だと考えております。たちばなやでの仕事を通じて得ることができるものはたくさんあります。先に述べたような美しいものを感じる感性が磨かれることの他、人を思いやる気持ちや、客室係であれば着物の着付けはもちろん、立ち居振る舞いや言葉遣い、そしてお客様とのやり取りや、多くのスタッフと一緒に働くことからもたくさんのことを学ぶことができると思います。

いい旅館を創りあげていく

橘の花の花言葉は「追憶」です。

お客様に想い出となる時間を過ごしていただけるように、また、日々の忙しさから解放され、普段忘れていることや懐かしさなどをふと思い出せるような、ゆったりした時間を過ごしていただけるように、たちばなやを磨き上げていきたいです。いい旅館を作り上げていくことを日々の仕事で追求し、またそのことを通して自分自身を向上させる最高の日々を、皆さんと一緒に過ごせたら嬉しいです。

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